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ささらと昔話講座 第02話【かちかち山】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、あれやこれやとささらちゃんが学んでいく動画です。
ささらとゆっくり昔話 第02話【かちかち山】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
日本昔話を現代っぽくアレンジしたらこうなったシリーズ。
カチカチ山
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「読み聞かせお兄さん ふうき」 読み聞かせお兄さん
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投稿者 「もちがたる。」
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むかしむかし、おじいさんの家の裏山に、一匹のタヌキが住んでいました。
タヌキは悪いタヌキで、おじいさんが畑で働いていますと、
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「やーい、ヨボヨボじじい。ヨボヨボじじい」
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と、悪口を言って、夜になるとおじいさんの畑からイモを盗んでいくのです。
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おじいさんはタヌキのいたずらにがまん出来なくなり、畑にワナをしかけてタヌキを捕まえました。
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そしてタヌキを家の天井につるすと、
「ばあさんや、こいつは性悪ダヌキだから、決してなわをほどいてはいけないよ」
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と、言って、
そのまま畑仕事に出かけたのです。
おじいさんがいなくなると、タヌキは人の良いおばあさんに言いました。
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「おばあさん、わたしは反省しています。
もう悪い事はしません。
つぐないに、おばあさんの肩をもんであげましょう」
「そんな事を言って、逃げるつもりなんだろう?」
「いえいえ。では、タヌキ秘伝(ひでん)のまんじゅうを作ってあげましょう」
「秘伝のまんじゅう?」
「はい。
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とってもおいしいですし、一口食べれば十年は長生き出来るのです。
きっと、おじいさんが喜びますよ。
もちろん作りおわったら、また天井につるしてもかまいません」
「そうかい。おじいさんが長生き出来るのかい」
おばあさんはタヌキに言われるまま、しばっていたなわをほどいてしまいました。
そのとたん、タヌキはおばあさんにおそいかかって、そばにあった棒(ぼう)でおばあさんを殴り殺したのです。
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「ははーん、バカなババアめ。タヌキを信じるなんて」
タヌキはそう言って、裏山に逃げて行きました。
しばらくして帰ってきたおじいさんは、倒れているおばあさんを見てビックリ。
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「ばあさん! ばあさん! ・・・ああっ、なんて事だ」
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おじいさんがオイオイと泣いていますと、心やさしいウサギがやって来ました。
「おじいさん、どうしたのです?」
「タヌキが、タヌキのやつが、ばあさんをこんなにして、逃げてしまったんだ」
「ああ、あの悪いタヌキですね。おじいさん、わたしがおばあさんのかたきをとってあげます」
ウサギはタヌキをやっつける方法を考えると、タヌキをしばかりに誘いました。
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「タヌキくん。山へしばかりに行かないかい?」
「それはいいな。よし、行こう」
さて、そのしばかりの帰り道、ウサギは火打ち石で『カチカチ』と、タヌキの背負っているしばに火を付けました。
「おや? ウサギさん、今の『カチカチ』と言う音はなんだい?」
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「ああ、この山はカチカチ山さ。だからカチカチというのさ」
「ふーん」
しばらくすると、タヌキの背負っているしばが、『ボウボウ』と燃え始めました。
「おや? ウサギさん、この『ボウボウ』と言う音はなんだい?」
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「ああ、この山はボウボウ山さ、だからボウボウというのさ」
「ふーん」
そのうちに、タヌキの背負ったしばは大きく燃え出しました。
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「なんだか、あついな。・・・あつい、あつい、助けてくれー!」
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タヌキは背中に、大やけどをおいました。
次の日、ウサギはとうがらしをねって作った塗り薬を持って、タヌキの所へ行きました。
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「タヌキくん、やけどの薬を持ってきたよ」
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「薬とはありがたい。
まったく、カチカチ山はひどい山だな。
さあウサギさん、背中が痛くてたまらないんだ。
はやくぬっておくれ」
「いいよ。背中を出してくれ」
ウサギはタヌキの背中のやけどに、とうがらしの塗り薬をぬりました。
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「うわーっ! 痛い、痛い! この薬はとっても痛いよー!」
「がまんしなよ。よく効く薬は、痛いもんだ」
そう言ってウサギは、もっとぬりつけました。
「うぎゃーーーーっ!」
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タヌキは痛さのあまり、気絶してしまいました。
さて、数日するとタヌキの背中が治ったので、ウサギはタヌキを釣りに誘いました。
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「タヌキくん。舟をつくったから、海へ釣りに行こう」
「それはいいな。よし、行こう」
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海に行きますと、二せきの舟がありました。
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「タヌキくん、きみは茶色いから、こっちの舟だよ」
そう言ってウサギは、木でつくった舟に乗りました。
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そしてタヌキは、泥でつくった茶色い舟に乗りました。
二せきの船は、どんどんと沖へ行きました。
「タヌキくん、どうだい? その舟の乗り心地は?」
「うん、いいよ。ウサギさん、舟をつくってくれてありがとう。・・・あれ、なんだか水がしみこんできたぞ」
泥で出来た舟が、だんだん水に溶けてきたのです。
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「うわーっ、助けてくれ! 船が溶けていくよー!」
大あわてのタヌキに、ウサギが言いました。
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「ざまあみろ、おばあさんを殺したバツだ」
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やがてタヌキの泥舟は全部溶けてしまい、タヌキはそのまま海の底に沈んでしまいました。
おしまい
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