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ささずんと昔話講座 第20話【鶴女房】

読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。

知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。

アニメサイズ Max 1920×1080 字幕「日本語」
イラスト myi   ブログ sorairoiro

ツルの恩返し

おりがみをつくろう ( おりがみくらぶ より)
鶴の折り紙つる   紅白鶴①の折り紙こうはくつる①

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「Vtuber 美浜たま」  みーたんの部屋

♪音声配信(html5)
音声 ヤマネコギン

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

♪音声配信(html5)
音声 久瑠璃桜華

♪音声配信(html5)
音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP

♪音声配信(html5)
音声 琴菜 ASMR

 むかしむかし、貧しいけれど、心の優しいおじいさんとおばあさんがいました。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

 ある寒い冬の日、おじいさんは町へたきぎを売りに出かけました。

ツルの恩返し

 すると途中の田んぼの中で、一羽のツルがワナにかかってもがいていたのです。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

「おお、おお、可愛そうに」
おじいさんは可愛そうに思って、ツルを逃がしてやりました。

ツルの恩返し

 するとツルは、おじいさんの頭の上を三ベん回って、
「カウ、カウ、カウ」

ツルの恩返し

と、さもうれしそうに鳴いて、飛んで行きました。

その夜、日暮れ頃から降り始めた雪が、コンコンと積もって大雪になりました。

ツルの恩返し

 おじいさんがおばあさんにツルを助けた話をしていると、表の戸を、

ツルの恩返し

 トントン、トントン

ツルの恩返し

と、叩く音がします。
「ごめんください。開けてくださいまし」
若い女の人の声です。
おばあさんが戸を開けると、頭から雪をかぶった娘が立っていました。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

 おばあさんは驚いて、
「まあ、まあ、寒かったでしょう。さあ、早くお入り」

ツルの恩返し

と、娘を家に入れてやりました。
「わたしは、この辺りに人を訪ねて来ましたが、どこを探しても見当たらず、雪は降るし、日は暮れるし、やっとの事でここまでまいりました。ご迷惑でしょうが、どうか一晩泊めてくださいまし」

ツルの恩返し

 娘は丁寧(ていねい)に、手をついて頼みました。
「それはそれは、さぞ、お困りじゃろう。こんなところでよかったら、どうぞ、お泊まりなさい」
「ありがとうございます」

ツルの恩返し

 娘は喜んで、その晩は食事の手伝いなどをして働いて休みました。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

 あくる朝、おばあさんが目を覚ますと、娘はもう起きて働いていました。

ツルの恩返し

 いろりには火が燃え、鍋からは湯気があがっています。
そればかりか、家中がきれいに掃除されているのです。

ツルの恩返し

「まあ、まあ、ご飯ばかりか、お掃除までしてくれたのかね。ありがとう」

ツルの恩返し

 次の日も、その次の日も大雪で、戸を開ける事も出来ません。

ツルの恩返し

 娘は、おじいさんの肩をもんでくれました。

ツルの恩返し

「おお、おお、何て良く働く娘さんじゃ。何て良く気のつく優しい娘さんじゃ。こんな娘が家にいてくれたら、どんなにうれしいじゃろう」
おじいさんとおばあさんは、顔を見合わせました。
すると娘が、手をついて頼みました。

ツルの恩返し

「身寄りのない娘です。どうぞ、この家においてくださいませ」
「おお、おお」
「まあ、まあ」
おじいさんとおばあさんは喜んで、それから三人貧しいけれど、楽しい毎日を過ごしました。

さて、ある日の事。

ツルの恩返し

 娘が機(はた)をおりたいから、糸を買ってくださいと頼みました。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

 おじいさんが糸を買ってくると、娘は機の回りにびょうぶを立てて、

ツルの恩返し

「機をおりあげるまで、決してのぞかないでください」
と、言って、機をおり始めました。

ツルの恩返し

 キコバタトン、キコバタトン。

娘が機をおって、三日がたちました。
ようやく機をおり終えた娘は、
「おじいさま、おばあさま、この綾錦(あやにしき→美しい布の事)を町へ売りに行って、帰りにはまた、糸を買って来て下さい」

ツルの恩返し

と、娘は空の雲の様に軽い、美しいおり物を二人に見せました。
「これは、素晴らしい」

ツルの恩返し

 おじいさんが町へ売りに行くと、それを殿さまが高い値段で買ってくれました。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

 おじいさんは喜んで、糸を買って帰りました。

ツルの恩返し

 すると娘はまた、機をおり始めました。

ツルの恩返し

「ねえ、おじいさん。あの娘はいったいどうして、あんな見事な布をおるのでしょうね。・・・ほんの少し、のぞいてみましょう」

ツルの恩返し

 おばあさんがびょうぶのすきまからのぞいてみると、そこに娘はいなくて、やせこけた一羽のツルが長いくちばしで自分の羽毛を引き抜いては、糸にはさんで機をおっていたのです。

ツルの恩返し

ツルの恩返し

ツルの恩返し

ツルの恩返し

「おじいさん、おじいさんや」

ツルの恩返し

 おどろいたおばあさんは、おじいさんにこの事を話しました。

キコバタトン、キコバタトン・・・。
機の音が止んで、前よりもやせ細った娘が布をかかえて出てきました。

ツルの恩返し

「おじいさま、おばあさま。もう、隠していても仕方ありませんね。
わたしは、いつか助けられたツルでございます。
ご恩をお返ししたいと思って娘になってまいりました。
けれど、もうお別れでございます。
どうぞ、いつまでもおたっしゃでいてくださいませ」

ツルの恩返し

 そう言ったかと思うと、おじいさんとおばあさんが止めるのも聞かず、たちまち一羽のツルになって空へ舞い上がりました。

ツルの恩返し

 そして家の上を、三ベん回って、
「カウ、カウ、カウ」

ツルの恩返し

と、鳴きながら、山の向こうへ飛んで行ってしまいました。

ツルの恩返し

「ツルや。いや、娘や。どうかお前も、たっしゃでいておくれ。・・・今まで、ありがとう」

ツルの恩返し

 おじいさんとおばあさんは、いつまでもいつまでもツルを見送りました。

ツルの恩返し

 それからのち、二人は娘のおった布を売ったお金で幸せに暮らしました。

おしまい

ツルの恩返し

おまけイラスト

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿参加希望は、メールをお送りください。→連絡先
ツルの恩返し
イラスト 「オレア・カッジョーリ、ビッグ・ジャパン」 ウエブサイト : Bigjapan.fr
イラストをクリックすると、印刷用の大画像が表示されます。

ツルの恩返し

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