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2023年10月2日の新作昔話
制作 「ハブルータ・Havruta」
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制作 「ハブルータ・Havruta」
酸っぱいぶどう
一匹のお腹をすかせたキツネが、歩いてきました。
「何か食べ物はないかなぁ」
ふと見上げると そこには美味しそうなぶどうが、たわわに実っていました。
「よし、これを食べよう」
キツネは、ぶどうを取ろうと背のびをしますが、手が届きません。
勢いをつけてジャンプをしてみましたが、それでも届きません。
「木に登れないかな?」
「木をゆさぶったら落ちてこないかな?」
いろいろ試してみましたが、キツネには取ることができませんでした。
思うようにいかず、腹が立ったキツネは、
「フン、どうせあのぶどうは酸っぱくて 食べられないさ」
と言って、ぶどう畑を後にしました。
えさを求めて歩きまわり、虫をつかまえて食べました。
「そろそろ家に帰ろうかな」
来た道を戻っていくと、2匹の子ギツネとすれ違いました。
「おいしかったね」
「うん、おいしかったよね」
口の周りをむらさき色にした 子ギツネたちが、楽しそうにかけていきます。
「あの色はぶどうかな? ぶどうを食べたのかな?」
不思議に思い、ぶどう畑に向かってみると、楽しそうな声が聞こえてきました。
「とって、とって!」
「私にも!」
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
体の大きなクマが 子供たちにぶどうを取ってあげていたのです。
お礼を言って、むしゃむしゃと夢中で食べる子供たちと、それを見てよろこんでいる笑顔のクマ。
なんとも温かなようすに、目をうばわれました。
そして、いつの間にか、ほほえんでいた自分に気づき おどろきました。
「助けてもらうことも、助けてあげることも、どっちも忘れていたな」
何だかとても晴れやかな気分でした。
キツネが再び歩き出した時、子ギツネがぶどうの房をくわえて近づいてきました。
「これ、おいしいよ!」
子ギツネからもらったぶどうは、なんとも甘くおいしい味でした。
おしまい
福娘童話集バージョン
アニメサイズ
Max 3840×2160 字幕「日本語」「英語」「中国語」
イラスト myi ブログ sorairoiro
イラスト 01 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
キツネとブドウのふさ
「お腹が空いたよう」
イラスト 02 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
と、キツネが森の中を歩いていました。
イラスト 03 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
すると、おいしそうなブドウがブドウ棚からたくさんぶら下がっていました。
キツネは、何とかして取ってやろうと思いました。
イラスト 04 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
でもブドウ棚は高くて、どうしても手が届きません。
するとキツネは、
イラスト 05 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
「ふん。あのブドウは、まだ酸っぱいのさ」
と、一人言を言って、どこかへ行ってしまいました。
イラスト 06 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
人間にも、自分の力が足りなくて出来ない事を、こんな風にごまかす人はいますね。
おしまい
メッセージカード(イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止
おまけ イメージイラスト(無断転載禁止)
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