福娘童話集 > きょうの世界昔話 福娘童話集 きょうの世界の名作・昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
 


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > その他の世界昔話 >ラピンさんと七面鳥

第155話

ラピンさんと七面鳥

ラピンさんと七面鳥
アメリカの昔話 → アメリカの情報

 むかしむかし、慌て者で有名なラピンさんが仕事から帰る途中で、一羽の大きな七面鳥が眠っているのを見つけました。
 ラピンさんはそれを見て、思わず首を傾げます。
「おや? この七面鳥、頭がないや」
 七面鳥は寝る時に頭を羽の中に突っ込んで寝るのですが、ラピンさんはそんな事は知りません。
「おかしいなあ? 七面鳥の頭は、どこへいったのだろう?」
 次の日も、そのまた次の日も、同じ場所で寝ている七面鳥を見てラピンさんは首を傾げます。

 そんなある日、ラピンさんは七面鳥に声をかけました。
「七面鳥さん、こんばんは」
 すると七面鳥は、頭を羽の下に押し込んだまま答えました。
「はい、こんばんは。・・・何か、ご用ですか?」
「あの、七面鳥さんには、頭があるのですか?」
 すると七面鳥は、怒って言いました。
「あるに、決まっているだろう!」
「でも、どこにあるんだい?」
「眠いのに、うるさいなあ。・・・ここだよ」
「ここ?」
「羽の下に入れているのさ」
 七面鳥は羽をわずかに動かして、羽の隙間から羽に突っ込んでいる頭を見せてやりました。
(ああ、なるほど。頭を外して羽の中に入れているんだな)

 ラピンさんは家に帰ると、妹に言いました。
「お前、知ってるかい?
 七面鳥は、寝る時に頭を外して寝るんだよ。
 だからぼくも、これからそうしてみようと思うんだ。
 きっとその方が、よく寝られるはずだよ。
 それに頭を外したって、口はきけるんだ。
 さっき、頭を外して羽の中にしまっている七面鳥と話をしてきたからね」
 ラピンさんはそう言うと、オノで自分の頭を、えいっ! と切ってしまったのです。
「馬鹿! 七面鳥は、羽の下に頭を突っ込んで寝るんだよ!」
 妹は大あわてでラピンさんの頭を体にくっつけると、ラピンさんを叱りつけました。

おしまい

前のページへ戻る

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ