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第221話

水の妖精

水の妖精
グリム童話グリム童話とは

 ある森の中に、小さな池がありました。
 この池に来た子供が時々行方不明になるので、大人達は子供達にこの池には来てはいけないと注意をしています。

 ある日の事、兄と妹の兄妹が親の言いつけを守らず、この池の近くで遊んでいました。
 兄妹は夢中で遊んでいるうちに、ドボンと池に落ちてしまいました。

 兄妹が目を覚ますと、目の前に気味の悪い女の人がいました。
 女の人は、兄妹に言いました。
「わたしは、この池に住む水の妖精さ。
 お前たち、この池に来てはいけないと親に言われていただろう?
 親の言いつけを守らないとは、バカな兄妹だ。
 お前たちは、もうわたしの物だよ。
 これから永遠に、わたしのために働かなくてはいけないよ」
 水の妖精は兄妹を自分の家に連れて帰ると、兄に切れないオノで木を切る様に言いつけました。
 そして妹には、もつれたアサで糸をつむぐ事を言いつけました。
 兄妹は朝から晩まで働かされて、食べる物は石の様に固いパンだけでした。
 兄妹は親の言いつけを守らず、池に来た事を泣きながら後悔しました。
 兄妹はここから逃げ出そうと思いますが、水の妖精がいつも兄妹を見張っているので逃げる事が出来ません。
 でもそのうち、水の妖精が日曜の朝に必ず教会へ行く事を知りました。
 そこで兄妹はある日曜日の朝、水の妖精が教会に行くのを待って逃げ出しました。
 この時に妹は、魔女の家から『もつれたアサ糸』と『くし』、そして『小さなカガミ』を持ち出しました。

 さて、教会から帰って来た水の妖精は、二人が逃げた事に気がつきました。
「逃がしはしないよ!」
 水の妖精は、急いで逃げた兄妹を追いかけました。

 やがて兄妹は、遠くから水の妖精が追いかけて来るのを見つけました。
 そこで妹は、もつれたアサ糸を後ろに投げながら言いました。
「アサ糸さん、私たちを助けて!」
 すると不思議な事に、アサ糸は大きなアサ糸の山になりました。
 水の妖精はもつれたアサ糸に足を引っかけて、なかなか山を越える事が出来ません。
 けれども水の妖精はなんとかアサ糸の山を越えると、再び兄妹を追いかけました。
 次に妹は、くしを後ろに投げました。
「くしさん、私たちを助けて!」
 するとくしは、鋭い歯のあるくしの山になりました。
 水の妖精はくしの鋭い歯に苦労をしましたが、それでもくしの山を越えて兄妹を追いかけます。
 次に妹は、小さなカガミを後ろへ投げました。
「カガミさん、私たちを助けて!」
 するとカガミは、つるつるとしたカガミの山になりました。
 水の妖精はカガミの山を乗り越えようとしますが、カガミがつるつると滑るので乗り越える事が出来ません。
「うーむ、このままでは逃げられてしまう」
 そこで水の妖精は一度家に帰ると、切れないオノを持ってきました。
「それ! こんなカガミの山など、壊してしまうよ」
 水の妖精がカガミの山にオノを振り下ろすと、カガミの山は粉々に砕けました。
 でもその頃には、兄妹は池からはい出して家へ逃げていくところでした。
 水の妖精は、いまいましく舌打ちをしました。
「チェッ! せっかくのドレイを逃がしてしまった。・・・まあいい。どうせまた、親の言う事を聞かないバカな子供が池に落ちてくるだろうからね」
 水の妖精はそう言うと、池に新しい子供が落ちてくるのを待つ事にしました。

おしまい

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