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2月29日のイソップ童話
できないことを約束する男
びんぼうな男が病気になってくるしんでいました。
お医者たちは、「もう、なおる見こみはない」と、いいました。
そこで、男は神さまに助けてもらおうとして、
「わたくしを元気にして下さったら、百匹のけだものと、そのほかのおそなえものをたくさん差し上げますから、どうかなおして下さい」
と、おいのりしました。
そのとき、すぐそばにいたおかみさんがはびっくりして、
「いったいあんたは、そんなことをするお金をどこで見つけてくるつもりなの」と聞きました。すると男は、
「なにいっているんだ。おれは病気がなおりさえすればいいんだ。神さまがおそなえものを取り立てにくるかどうかなんて、知ったことじゃない」と、答えました。
この話は、人間は、はたすつもりのない約束を、口先だけならいくらでもするということをおしえています。
おしまい