福娘童話集 > きょうのイソップ童話 > 3月のイソップ童話 > ゼウスの裁判
3月17日のイソップ童話
ゼウスの裁判
あるとき、ゼウス(→詳細)の神はヘルメス(→詳細)の神を呼んで、
「おおぜいの人間たちを裁判するのに、まちがえるといけないから、あなたがそれぞれの人間のやった悪いことを、貝がらに書きとめて下さい。1まいの貝がらに1人ずつ書いて、みんなのぶんができたら箱に入れて、わたしのところへ持ってきなさい。そうすれば、わたしは1まいずつその貝がらをとりだして、書いてあることを読みながら、正しいさばきをくだすことができるだろう」
と、いいつけました。
たしかに、これはよい考えでしたが、箱の中の貝がらは、ごちゃまぜになっているために、ゼウスがすぐにつかみ出す貝がらもあれば、なかなか出てこない貝がらもあります。
それで、ゼウスのさばきがはやくくだる人と、おそくくだる人ができてしまいました。
悪いことをした人が、すぐに罰をうけないことがあっても、おどろいてはいけません。
時間はかかっても、かならず正しいさばきはおこなわれます。
おしまい