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3月28日のイソップ童話
オオカミと仲なおりしたイヌ
オオカミがイヌにいいました。
「きみたちは、どこからどこまで、ぼくらとそっくりなのに、どうしてぼくらと兄弟のようになかよくしないのかい。じっさい、きみらとぼくらは、ぜんぜんちがわない。ちがうのは、ただ、考えかただけだ。ぼくらオオカミは自由に生きている。しかしきみたちは人間に手なずけられて、どれいみたいになっている。人間になぐられてもがまんして、首輪をつけられてヒツジの番をさせられている。しかもきみらの主人は、自分だけうまいものを食って、きみたちには骨しかくれないじゃないか。だから、ぼくたちを信用して、ぼくたちに、ヒツジをぜんぶひきわたしたまえ。そうして、みんなでたらふく食おうよ」
イヌたちは、オオカミのいうとおりだと思ってさんせいしました。
するとオオカミは、ヒツジとイヌのいる穴ぐらに押しいってきて、まずはじめにイヌたちを食い殺してしまいました。
自分のなかまをうらぎる人は、みんな、このイヌと同じ目にあうでしょう。
おしまい