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4月8日のイソップ童話
オウムとネコ
ある人がオウムをかって、家の中ではなしがいにしました。
よくなれたオウムは、マントルピースの上に飛び上がって、楽しそうな声でしゃべりはじめました。
その家のネコがそれを見て、
「あんたはだれなのかい。どこからきたんだい」
と、聞きました。
「この家のご主人に、さいきんかわれてきました」
「ふーん、新米のくせにずうずうしいねえ。そんなに大きな声でさわいで。あたしはこの家でうまれたのに、ご主人はないてはいけないというんだよ。もしもないたりすると、ご主人はおこって、わたしを外に放り出すんだよ」
「ネコのおばさん。ごちゃごちゃいうのはやめなさいよ。あなたの声とわたしの声では、くらべものにならないもの。わたしのきれいな声はあなたとちがって、ご主人をイライラさせないのですよ」
他人になんくせをつけることばかり楽しみにしている人に、この話をしてやるとよいでしょう。
おしまい