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6月21日のイソップ童話
黒イタチ
くつをつくるのを商売にしている男が、色の白いイタチ(→詳細)をかっていました。
そのイタチは、その家にたくさんいたネズミを、まいにち一ぴきずつとっていました。
あるとき、このイタチがうっかりして、靴屋が皮を黒くそめるための染料の中に落ちて、まっ黒になってしまいました。
さて、ネズミたちはイタチが坊さんのような黒いすがたになったので、これはたぶん、改心して肉を食べないことにしたのだろうと考えました。
そこで、イタチをこわがらずに、その家じゅうを走りまわりました。
ところがイタチは、「これはえものがたくさん出てきた」と、いつもよりもおおくのネズミをつかまえました。
ほかのネズミはみんな逃げてしまいましたが、イタチが坊さんの着ものをきてから、どうして前よりもざんこくになったのかと、ふしぎに思いました。
なかみは同じでも、ちゃんとしたりっぱな着物を着れば、あいての対応も変わってくることを、この話はおしえています。
おしまい