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ヘラクレスとは?

ヘラクレスとは?

 ギリシャ神話(しんわ)の最大(さいだい)の英雄(えいゆう)で、ゼウスと、テーベの将軍(しょうぐん)アンフィトリュオンの妻(つま)であるアルクメネの間(あいだ)にできた子(こ)
 彼(かれ)はその生涯(しょうがい)にさまざまな武勲(ぶくん)をたてたが、なかでもゼウスの正妻(せいさい)ヘラの企(たくら)みによって課(か)せられた仕事(しごと)、「ヘラクレスの12功業(こうぎょう)」は有名(ゆうめい)です。

「ヘラクレスの12功業(こうぎょう)

1 ネメアの森(もり)にすむライオン退治(たいじ)
・このライオンはどんな武器(ぶき)でも傷(きず)つけることのできない怪物(かいぶつ)でしたが、こん棒(ぼう)で気絶(きぜつ)させて素手(すで)でしめ殺(ころ)しました。
2 レルネの沼(ぬま)にすむヒュドラ退治(たいじ)
・ヒュドラは、9つの頭(あたま)をもち(そのうちの1つは不死身(ふじみ))、首(くび)を切断(せつだん)されてもすぐに切り口(きりくち)から新(あたら)しい頭(あたま)が2つ生(は)えてくるおそろしい蛇(へび)でした。
 ヘラクレスは、切り口(きりくち)を火(ひ)でやいて頭(あたま)が生(は)えてくるのをふせぎ、不死(ふし)の頭(あたま)は大石(おおいし)の下(した)にうめました。
 このときヘラクレスは、矢(や)をヒュドラの血(ち)にひたして毒矢(どくや)を作(つく)ります。
3 ケリュネイアの鹿(しか)の生け捕(いけど)
・この鹿(しか)は、黄金(おうごん)の角(つの)と青銅(せいどう)のひづめをもっています。
 狩猟(しゅりょう)の女神(めがみ)アルテミスの聖獣(せいじゅう)だったので、傷(きず)つけることが禁(きん)じられ、生け捕(いけど)りにするのに1年(ねん)かかりました。
4 エリュマントスの猪(いのしし)の生け捕(いけど)
・しばしば人里(ひとざと)におりて害(がい)をおよぼすエリュマントス山(ざん)の大(だい)イノシシを生け捕(いけど)りにしました。
5 アウゲイアスの牛小屋(うしごや)掃除(そうじ)
・エリス王(おう)アウゲイアスの数千頭(すうせんとう)の牛(うし)がいる広大(こうだい)な牛小屋(うしごや)は、30年間(ねんかん)まったく掃除(そうじ)をしたことがなく、よごれきっていました。
 ヘラクレスは怪力(かいりき)で2本(2ほん)の川(かわ)の流(なが)れをかえて水(みず)をながしこみ、たった1日(にち)で掃除(そうじ)をしたのです。
6 ステュンファロス湖畔(こはん)の鳥退治(とりたいじ)
・湖畔(こはん)の森(もり)にむれすんで人畜(じんちく)に害(がい)をなしていた無数(むすう)の鳥(とり)を森(もり)からおびきだし、弓矢(ゆみや)で殺(ころ)しました。
 これらの鳥(とり)は、青銅(せいどう)のくちばし・爪(つめ)・翼(つばさ)をもっていたともいいます。
7 クレタの雄牛(おうし)の生け捕(いけど)
・海神(かいじん)ポセイドンがクレタ島(とう)のミノス王(おう)をおどすためにおくった、狂気(きょうき)の雄牛(おうし)をとらえました。
8 ディオメデスの雌馬(めすうま)の生け捕(いけど)
・トラキア王(おう)ディオメデスは、人肉(じんにく)をエサにしている4頭(とう)の馬(うま)をかっていました。
 ヘラクレスは王(おう)を殺(ころ)して、この人食(ひとく)い馬(うま)たちをミュケナイにつれかえりました。
9 アマゾン族(ぞく)の女王(じょおう)の帯(おび)の奪取(だっしゅ)
・アマゾンの女王(じょおう)がもっているアレスの帯(おび)を、エウリュステウスの娘(むすめ)がほしがったため、ヘラクレスが奪取(だっしゅ)を命(めい)じられた。
 女王(じょおう)は帯(おび)をわたすことを承諾(しょうだく)しましたが、ヘラの陰謀(いんぼう)で戦(たたか)いがおこり、ヘラクレスは女王(じょおう)を殺(ころ)して帯(おび)をうばうことになりました。
10 怪物(かいぶつ)ゲリュオンの飼(か)い牛(うし)の生け捕(いけど)
・首(くび)が3つある怪物(かいぶつ)ゲリュオンの飼(か)い牛(うし)を捕獲(ほかく)するという使命(しめい)をはたすため、ヘラクレスはエチオピアにむかいます。
 途中(とちゅう)、旅(たび)の記念(きねん)に巨大(きょだい)な2つの岩(いわ)で柱(はしら)をたてました。
 これが、ジブラルタル海峡(かいきょう)の東端両側(とうたんりょうがわ)にある、ジブラルタル山(やま)とセウタ山(やま)だといわれています。
11 ヘスペリデスの園(その)の黄金(おうごん)のリンゴをもちかえる
・世界(せかい)の果(は)てにあるヘスペリデスの園(その)の近(ちか)くまできたヘラクレスは、黄金(おうごん)のリンゴのある場所(ばしょ)を知(し)らなかったので、ヘスペリデスの父(ちち)である巨人神(きょじんしん)アトラスにたのんでとりにいってもらい、その間(あいだ)、彼(かれ)にかわって世界(せかい)を肩(かた)でささえました。
 リンゴをとってきたアトラスは、ふたたび重荷(おもに)をせおうのをいやがりましたが、ヘラクレスは彼(かれ)をうまくだまして交代(こうたい)し、リンゴを手(て)にいれたのです。
12 冥府(めいふ)の番犬(ばんけん)ケルベロスの生け捕(いけど)
・最後(さいご)の使命(しめい)は最大(さいだい)の難問(なんもん)で、冥府(めいふ)の番犬(ばんけん)、3つ頭(あたま)のケルベロスの生け捕(いけど)りでした。
 武器(ぶき)をつかわずにとらえることができるならつれていけと、冥府(めいふ)の王(おう)ハデスにいわれたヘラクレスは、無事(ぶじ)に素手(すで)でこの猛犬(もうけん)をつかまえ、ミュケナイへつれてかえり、のちにまたハデスへかえしました。

 ヘラクレスの登場(とうじょう)する、主(おも)なイソップ童話(どうわ)

牛追(うしお)いとヘラクレス
ヘラクレスとアテネ
(かみ)さまをくらべっこするふたりの男(おとこ)

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