8月28日のイソップ童話
羽根を切られたワシとキツネ
ある日、一羽のワシが人間につかまりました。
つかまえた人はワシの羽根をみじかく切って、とりごやの中に入れ、ニワトリといっしょにかっておきました。
羽根を切られたワシは、あまりにも悲しいので、しょんぼりと首をたれ、エサも食べられないありさまでした。
まるで、生けどりにされた王さまのようでした。
ところが、べつの人がこのワシを買い取ってくれたのです。
こんどの人はワシのいたんだ羽根をぬいて、薬をぬり、あたらしいじょうぶな羽が生えるように手あてをしてくれました。
元気に飛べるようになったワシは、ウサギをつかまえて親切なご主人にもって行きました。
それを見て、キツネがいいました。
「きみ、次のえものは初めの人のところへ持っていけよ。前のこわい主人のごきぜんをとる事も必要だぜ。またつかまって羽根を切られるといけないから」
親切にしてくれた人には、たっぷりと恩返しをしなければなりません。
でも、いじわるな人からまたいやなめにあわないよう、用心することも大切です。
おしまい
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