8月30日のイソップ童話
少年と肉屋
二人の少年が、同じ店に肉をかいに来ました。
肉屋が向こうを向いて仕事をしているすきに、一人がぞうもつをぬすんで、もう一人の少年に持たせました。
肉屋はこちらにむきなおって、ぞうもつがなくなっているのに気がつきました。
「おまえたちだな、ぬすんだのは」
肉屋は、少年たちにつめよりました。
すると、ぞうもつをぬすんだ少年は、
「このとおり、ぼくはもっていないよ」
と、いいましたし、もう1人は、
「ぼくは持たされただけで、ぬすんだんじゃあないよ」
と、いうのです。
肉屋は二人にいいました。
「ごまかして、わたしからは逃げられたって、悪いやつはきっと神さまから罰をうけるからな」
それを聞いた二人の少年はこわくなって、ぞうもつをその場において逃げていきました。
どんなにうまく悪知恵をはたらかせても、神さまをだますことはできません。
おしまい
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