9月23日のイソップ童話
旅人とたきぎの束
海岸を歩いていた旅人たちが、高いがけの上に出ました。
広い海の遠くの方に、たきぎの束が浮かんでいるのを、旅人たちはてっきり船だと思いました。
「大きな船だ。軍艦らしいぞ。この岸につけるつもりだな」
待っていると、たきぎの束は風に押されて、だんだん近づいてきました。
「あれは軍艦ほど大きくない。きっと貨物船だ」
ところが岸についたのは、たきぎの束でした。
それを見て、旅人はお互いの顔を見合わせていいました。
「ぼくたちは、なんてバカなんだろう。こんなつまらないものが岸につくのをまっていたなんて」
このお話しは、知らないうちはみんなからおそれられていても、じっさいに力だめしをされると、たちまちつまらない人だとわかってしまうような人のことをたとえています。
おしまい
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