10月23日のイソップ童話
同じ重さの荷物をはこぶロバとラバ
ロバとラバがならんで、歩いていました。
ロバは自分がはこんでいる荷物と、ラバの荷物とが同じなのを見て、
「これはひどいなあ。ラバくんは、ぼくの二倍もエサをもらっているのに、荷物はぼくと同じだなんて、不公平だなあ」
と、ぶつぶついいました。
けれどもしばらくいくうちに、ロバひきは、ロバがひどくつかれているのに気がついて、ロバの荷物をすこしラバの背なかにうつしました。
またしばらくいくうちに、ロバがまえよりもいっそうつかれているのを見たロバひきは、ロバの荷物をまたへらして、ラバにうつしました。
そしてしまいには、ロバの荷物ののこりぜんぶを、ラバにうつしてしまいました。
そのとき、ラバはロバの顔を見て、
「どうだい。ぼくがきみの二倍のエサをもらうのは、とうぜんだと思わないかい」
わたしたちも他人を判断するときは、はじめだけでなく、おわりまでよく見てからにしましょう。
おしまい
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