6月19日の日本の昔話
たけのこのおとむらい
むかしむかし、一休さん(いっきゅうさん→詳細)と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
一休さんのお寺のタケやぶのとなりに、さむらいのやしきがありました。
ある日、一休さんが庭そうじをしていると、となりのやしきのさむらいが、タケノコこのかわを、ザルに入れてきて、
「わしのやしきへ、こいつがあいさつもなしに、はえてでた。ぶれいなやつなので、刀にかけてやったが、からだは、わしがゆでてくう。しかし、はぎとったきものは、かえしてやろう」
と、ザルをつきだしました。
「お寺のタケノコをひとりじめして、かわだけもってくるなんてひどいや。ようし、みていろ」
一休さんがさむらいのやしきへいくと、タケノコがちょうど、ゆであがるところでした。
「たとえ、タケノコであっても、ねんごろにお経をあげて、とむらってやらねばなりません。ですから、このタケノコのからだを、いただいてゆきます」
一休さんは、ゆでたタケノコをもちかえると、簡単にお経をあげて、あとはみんなで、おいしくいただきました。
おしまい
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