7月24日の日本の昔話
ぶんぶく茶がま
むかしむかし、あるところに、貧乏な古道具屋がいました。
ある日のこと。
古道具屋は、一匹のタヌキがワナにかかっているのを見つけました。
古道具屋はかわいそうに思って、そのタヌキをワナから助けてやりました。
次の日の朝、タヌキがやってきて言いました。
「昨日はほんとうにありがとうございました。となり村の和尚(おしょう→詳細)さんが、茶がまを欲しがっていますよ。わたしが茶がまに化けますから、持って行って売って下さい」
そういうと、タヌキはすばらしい金の茶がまに化けました。
「うーん、これはみごと」
和尚さんは、タヌキの化けた茶がまを大変気に入り、大変高い値で買い取ってくれました。
茶がまを手に入れた和尚さんは、小坊主に、
「この茶がまを洗ってきなさい」
と、言いました。
小坊主は、うらの川へ行って茶がまをゴシゴシと洗いました。
すると、
「おい小坊主、もっとやさしく洗ってくれ、尻が痛くてたまらん」
「ひゃー、茶がまがしゃべった!!」
小坊主はビックリ。
あわてて和尚さんにこのことを話しましたが、和尚さんは信じてくれません。
「なにをばかな。茶がまがしゃべるはずなかろう。・・・さ、次はお湯をわかしておくれ」
小坊主は言われるまま、タヌキの化けた茶がまに水を入れて火にかけました。
すると、茶がまに化けたタヌキは大あわて。
「うぁー、あちちちち! お尻に火がついた!」
タヌキは一目散に、山へ逃げていきました。
その夜、タヌキはまた、古道具屋の家にやってきて言いました。
「二人で町へ行きましょう。私がつなわたりをしますから、人を集めて下さい」
次の日、古道具屋とタヌキは町へ出かけ、しばい小屋をかりました。
「さあさあ、世にも珍しい、タヌキのつなわたりだよ」
入り口で古道具屋が大声で言うと、タヌキはつなの上を器用に渡りながら、腹づつみを打ったり、歌ったりします。
「これはめずらしい。なんておもしろいんだ」
タヌキのつなわたりは大ひょうばんとなり、毎日押すな押すなの大にぎわい。
タヌキのおかげで、古道具屋は大金持ちになりました。
おしまい
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