きょうの江戸小話
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1月18日の小話

金のとりい

金のとりい

 金蔵(かねぞう)さんのところのおかみさんは、たいへんな難産(なんざん→出産が、たいへんなこと)でした。
 近所のひとが、医者よ産婆(さんば→出産を助け、産婦や生児の世話をする女性。助産婦の旧称。)よと、大さわぎをしていると、たまりかねた金蔵さん、いきなり、井戸ばたへ飛び出すと、頭から水をかぶり始めました。
「神さま。どうか、安産(あんざん→ぶじに、子どもがうまれること)するようにねがいします。おれいに、きっときっと、金の大とりい(神社の入り口にある門 →詳細)をさしあげますので」
 それをきいたおかみさん、あわてて金蔵さんをよぶと、
「おまえさん、そんなバカなことをいうもんじゃないよ。わたしが安産したからって、どうやって、金のとりいなんかこしらえるのさ」
 すると、金蔵さん、
「やかましい、わしが、神さまをだましているうちに、早くうんでしまえ」

おしまい

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