きょうの江戸小話
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12月21日の小話

雪女
イラスト myi

雪女

 おさない息子と、二人で暮らしている男がいました。
 吹雪(ふぶき)の晩に、この男の家にまっ白い着物を着た三十近くの雪女(ゆきおんな)がやって来ました。

雪女

 どうやらこの大雪で、行き場がなくて困っているようです。
 男は気の毒に思って、ひと晩、雪女を泊めてやることにしました。
「さあさあ、このふとんをしいて、わしの子と一緒に寝るがいい」
と、言いながら、男は押し入れの中からふとんを出してやりました。
 すると雪女が、
「別のふとんで寝かせておくれ」
と、頼みますので、
「なぜだね?」
と、聞くと、

雪女

「寝小便でもされますと、わたしはとけて消えてしまいます」

おしまい

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