きょうの新作昔話
童話集 > 新作

2008年 9月14日の新作昔話

きかずの神さま

きかずの神さま
長野県の民話

 むかしむかし、諏訪(すわ)には、何でも願い事をかなえてくれる神さまがいたそうです。
 そして願い事をかなえてもらったら、お礼に団子や餅をお供えしたのですが、年月がたつにつれて、人々はだんだんお供え物をしなくなりました。
 神さまはそんな人間の身勝手に腹を立てて、それっきり、いくらお参りしても願いをかなえてくれなくなったのです。
 そんなある日、村一番の貧しい男が、神さまのところにやってきました。
 男はいくら働いても、暮らしが楽にならないので、やけくそになってしまい、
「もうおらは、生きていたくねえ。いっその事、もっと貧しくなって早く死なせて下せえ」
と、お願いしたのです。
 ところが、それから男に運が向いてきて、たちまち大金持ちになったのです。
 その噂が広まり、神さまのもとには再び人々がお参りに来るようになったのです。
 けれども普通にお願いしても願いをかなえてくれず、反対に不幸な事を願うと幸せにしてくれるので、人々はその神さまを『きかずの神さま』と呼んだそうです。

おしまい

きょうの「366日への旅」
記念日検索
きょうは何の日?
誕生花検索
きょうの誕生花
誕生日検索
きょうの誕生日
福娘童話集
きょうの世界昔話
福娘童話集
きょうの日本昔話
福娘童話集
きょうのイソップ童話
福娘童話集
きょうの小話

トップへ