きょうの日本民話
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2008年 10月9日の新作昔話
ゆかいなおなら
青森県の民話
むかしむかし、あるところに、とてもゆかいなおならをする家族がいました。
おばあさんのおならは
「ぬすびとーん、ぬすびとーん」
と、鳴りました。
お嫁さんのおならは
「いたいた、いたいた」
と、鳴りました。
お婿さんのおならは
「ぶてぶて、ぶてぶて」
と、鳴りました。
ある晩のこと、この家の天井にどろぼうが忍び込みました。
三人はそれに気がつかず、いろりのそばにすわってお茶を飲んでいます。
(早く、寝てくれないかなあ)
どろぼうは天井に座って、みんなが寝るのを待ちました。
するとおばあさんが、おしりをあげておならをしました。
「ぬすびとーん、ぬすびとーん」
びっくりしたどろぼうが下をのぞいてみると、今度はお嫁さんがおならをしました。
「いたいた、いたいた」
どろぼうは、ぎくっとなりました。
(もしかして、見つかったのかもしれないぞ)
そのとたん、お婿さんがおならをしました。
「ぶてぶて、ぶてぶて」
それを聞いて、どろぼうはまっ青になりました。
(ぬすびとがいたから、ぶてだなんて、とんでもない)
どろぼうはあわてて外へ飛び降りると、一目散に逃げて行きました。
「あれ、今の音はネズミかな?」
三人は天井を見あげましたが、何もいません。
「まあいい、では寝るとしよう」
そして三人は
「ぬすびとーん、いたいた、ぶてぶて」
と、おならを鳴らしながらねむりました。
おしまい
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