2010年 10月15日の新作昔話
イタチとネズミたち
イソップ童話
年を取って動きが鈍くなったイタチは、以前のようにネズミが捕れなくなってしまいました。
そこで粉の中をゴロゴロと転がって粉を体中にまぶすと、薄暗い部屋のすみの方へ横たわりました。
最初にそれを見つけたネズミは、
「チュー、チュー。ここに何かあるぞ。食べ物かな?」
と、思って飛びつき、そしてイタチに捕まって食べられてしまいました。
二番目のネズミも同じ様に食べられ、三番目も食べられました。
イタチの作戦は、大成功です。
そしてそれからも、イタチの犠牲は後を絶ちませんでした。
さて、今まで多くの罠や危険から逃れてきた一匹の年老いたネズミが、イタチの罠を見破って、安全な場所からこう言いました。
「そこに寝転がっている、そこのお方。あんたのその扮装が上手ければ上手い分だけ、あんたの腹は膨れるという寸法なんだね。だけど、もうお終いだよ」
商売もこれと同じで、新しいやり方を考えた人は、大きな利益を得る事が出来ます。
そのやり方が広まるまでは。
おしまい
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