きょうの世界昔話
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1月26日の世界の昔話

花とお日さま
イラスト myi

イラストの隠しキャラを探してみよう。
(葉っぱウサギ)


正解は、お話しの最後にあります。

花とお日さま
アンデルセン童話 → アンデルセン童話の詳細


 それは、寒い寒い冬の事です。
 雪の混じった冷たい風が吹いていましたが、部屋の中は気持ち良く温まっていました。
 ここは、地面の中の部屋です。
 そこには、花が眠っていました。

花とお日さま

 ある日、雨が降りました。
 雨のしずくは土の中まで染み込んで行き、花の根っこをゆすぶりました。

花とお日さま

「起きなさい、起きなさいな」
「う、うーん・・・」
 花の根っこは、なかなか目を覚まそうとしません。
 そのうちに春が来て、温かいお日さまの光がさす様になりました。
 お日さまの光は土の間をくぐって、花の根っこの所まで入っていきました。

花とお日さま

 そして花の根っこを、少しずつ、少しずつ、温めてやりました。
「ああ、体の中がムズムズする。手足をウーンと、思いっ切り伸ばしたいなあ」
 花の根っこは目を覚まして、そんな事を言いました。
 また、雨が降りました。

花とお日さま

 雨は土の中に染み込むと、花の根っこをくるんでいる、薄い皮を濡らして柔らかくして言いました。
「出て来なさい。早く、出て来なさい」
 そこへまた、温かいお日さまの光が入って来て、ポカポカと温めました。

花とお日さま

「ああ、もう、ジッとしてはいられないよう」
と、花の根っこは言いました。
 間もなく根っこは、白いひげの様な根を出して来ました。

花とお日さま

 それから、薄緑の芽を伸ばして来ました。
 芽はお日さま光をいっぱい浴びようと、お日さまの光が来る方へと伸びて行きました。

 そしてとうとう、土の上に出て来ました。

花とお日さま

「ああ、なんて明るいんだろう」

花とお日さま

 芽は、眩しくて困りました。
 すると、お日さまは、
「やあ、やっと顔を見せてくれたね」
と、やさしく気持ちの良い光で、小さな芽を包みました。

 今度は、そよそよと風が吹いて来て言いました。

花とお日さま

「はじめまして、やっと、出て来たんだね」
 そして今度は小鳥がやって来て、楽しそうに歌いました。
「♪ 芽が出たよ。 芽が出たよ。可愛い芽が出たよ」

花とお日さま

 芽は、うれしくなりました。
「よーし、もっと大きくなって、みんなに喜んでもらおう」

花とお日さま

 芽は頑張って、毎日毎日大きくなりました。
 もう、お日さまも眩しくはありません。
 グングン、グングン伸びていきました。

花とお日さま

「しっかり、しっかり」
「がんばれ、がんばれ」
「その調子だよ」
「♪ もうすぐ、もうすぐ、もうすぐだー」
 お日さまも、雨も、風も、小鳥も、みんな励ましてくれました。

花とお日さま

 そしてついに、芽は可愛いつぼみをつけて、きれいな花を咲かせたのです。

花とお日さま

「やったー」
「おめでとう」
「すごく、きれいだよ」
「♪ 花が出たよ。花が出たよ。可愛い花が出たよ」
 みんなに褒めてもらって、花はとても幸せでした。

 ほら、あなたのお庭に咲いている花が、その花ですよ。

おしまい

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