2月27日の世界の昔話
わすれな草
スイスの昔話 → 国情報
むかしむかし、あるところに、とてもなかのよい男の子と女の子がいました。
あるとき、この二人が山のぼりにでかけました。
手をつないで歌をうたい、ズンズンとのぼっていくと、やがて川が見えてきました。
「あら、あんなところに花がさいてる」
女の子がいいました。
ゴウゴウとながれる川のすぐそばに、青い花がさいていたのです。
男の子は大好きな女の子のために、その花をとってきてあげようと思いました。
体がぬれるのも気にしないで、男の子は岩をのぼっていきます。
ところが、その花に手をのばしたとたん、川の水で足がすべりました。
男の子はあわてて花をつむと、女の子にむかってその花をなげました。
そしてそのまま川におちると、すごいはやさで流されていきます。
ゴウゴウという水の音にまじって、男の子の声が聞こえてきました。
「大好きだよ! いつまでも、ぼくをわすれないでね!」
そのときから、その青い花には「わたしをわすれないでね」という意味の『わすれな草』という名まえがついたそうです。
おしまい
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