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11月22日の世界の昔話

三匹の子ブタ

三匹の子ブタ
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 むかしむかし、あるところに、三匹の子ブタがいました。
 みんなの名まえは、一番のお兄さんが「大ブタちゃん」、二番目のお兄さんが「中ブタちゃん」、三番目の弟が「ちいブタちゃん」です。
 さて、三匹の子ブタは、それぞれ自分のお家をつくることになりました。
 大ブタちゃんは、ワラのお家をつくることにしました。
 ワラをなわでしばって、ギュッ、ギュッ、ギュッ、はい、すぐにできあがりました。
 中ブタちゃんは、木のお家をつくることにしました。
 まず柱を立てて、まわりにならべた木にクギをうって、トントントンと、はい、できあがりました。
 ちいブタちゃんは、
「ぼくのお家はワラでも木でもない、かたくてじょうぶなレンガでつくろう」
 レンガを運んで、レンガをつんで、ヨイショ、ヨイショ、ヨイショ、時間はかかりましたが、ようやくできあがりました。
「ワーイ、できた、できた」
 自分たちのお家ができて、三匹の子ブタはとてもごきげんです。
 すると、山にすんでいるわるいオオカミが、ワラのお家にやってきました。
「大ブタくん、大ブタくん、ここをあけておくれ。ぼくをお家に入れとくれよ」
 大ブタちゃんは、ビックリして答えました。
「とんでもない! ぜったいにいやだよう!」
 するとオオカミは、恐ろしい声でどなりました。
「よーし、そんなら、こんな家なんか、おれさまの自慢(じまん)の息(いき)で、ふき飛ばしてやるぞ!」
 オオカミがほっペをふくらませて、フーッと息をふいたら、ワラのお家はバラバラにふき飛んでしまいました。
 そこでオオカミは、大ブタちゃんをつかまえて、ペロリと食べてしまいました。
 さて、それからオオカミは、木のお家にやってきました。
「中ブタくん、中ブタくん、ここをあけておくれ。ぼくをお家へ入れとくれよ」
 中ブタちゃんはビックリして、戸を押さえていいました。
「とんでもない! ぜったいにいやだよう!」
 するとオオカミは、恐ろしい声でどなりました。
「よーし、そんなら、こんな家なんか、おれさまの自慢のいきで、ふき飛ばしてやるぞ!」
 オオカミがフーッと息をふきましたが、木の家はなかなかこわれません。
「よし、こうなったら体当たりだ!」
 オオカミは勢いをつけると、木の家に体当たりをしました。
 ドシーン!
 木のお家は、バラバラにこわれてしまいました。
 そこでオオカミは、中ブタちゃんをペロリと食べてしまいました。
 さて、それからオオカミは、レンガのお家へやってきました。
「ちいブタくん、ちいブタくん、ここをあけておくれ。ぼくをお家に入れとくれよ」
 ちいブタちゃんもビックリして、
「とんでもない! ぜったいにいやだよう!」
 するとオオカミは、恐ろしい声でどなりました。
「よーし、そんなら、こんな家なんか、おれさまの自慢のいきで、ふき飛ばしてやるぞ!」
 オオカミが、フーッと息をふきましたが、レンガの家はビクともしません。
「よし、こうなったら、体当たりだ!」
 オオカミは勢いをつけると、レンガの家に体当たりをしました。
 ドシーン!
 でも、レンガの家はビクともしません。
 オオカミは、うなりました。
「おぼえてろ。こうなったら煙突(えんとつ)からおりてって、ちいブタのやつを食べてやるぞ!」
 それを聞いたちいブタちゃんは、大急ぎで大きなナベにお湯をわかしました。
 火をドンドン燃やしたので、お湯がグラグラとわきました。
 煙突からおりてきたオオカミは、そのお湯の中にボチャーン! と落ちました。
「あつい、あついよー! 助けてくれー!」
 泣きさけぶオオカミに、ちいブタちゃんがいいました。
「じゃあ、もう悪いことはしないか?」
「しない、しない」
「じゃあ、食べたお兄さんたちをかえすか?」
「かえす、かえす。だから助けてくれー!」
「よし、約束だぞ」
 ちいブタちゃんがオオカミをナベから出してやると、オオカミは食べた大ブタちゃんと中ブタちゃんをはき出して、泣きながら山に逃げていきました。
 助かった大ブタちゃんと中ブタちゃんは、ちいブタちゃんのレンガの家で、なかよくくらしました。

おしまい

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