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第 27話
兄と妹
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所」
あるところに、息子と娘の二人の子どもがいる男がいました。
息子の方は美しい顔をしているのですが、娘の方は、はっきりいってひどい状態です。
ある日の事、二人がままごと遊びをしていると、母親の椅子の上にあった鏡を見つけて、それを二人して覗いてみました。
男の子は、
「このぼくは、なんて美しいのだろう」
と、喜んでいましたが、女の子はそんな兄が我慢できずに父親の所へ駆けて行くと、
「お兄ちゃんは、男のくせに自分の顔を見てうっとりしている。あんな変なお兄ちゃん、すぐに追い出した方がいいよ」
と、兄の悪口を言いました。
それを聞いた父親は二人を抱き寄せると、同じ愛情でもって二人にキスをしてこう言ったのです。
「いいかい、お父さんは言う事をよくお聞きなさい。息子よ、お前は悪い行いで、その美しさが損なわれないようにしなさい。娘よ、お前は自分の美徳でもって、外面を補うようにしなさい」
外面が良くても、内面が悪くてはいけません。
外面が悪くとも、内面が良ければ素晴らしい事です。
おしまい
朗読者情報 台湾居住者 Judy
日本で20年の生活を経た後、本国の台湾に戻ったジュディーは日本と台湾の架け橋となり、通訳、翻訳、日本語教師を経験後、現在は日本語を使い、様々な分野の録音に携わっています。
台湾日文配音者です。
朗読に関するご意見ご要望はjudy.yen1204@gmail.comまでお願いいたします。
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