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第 37話
アブと二輪戦車を曳くロバ
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投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所」
ロバが二輪戦車をひいて走っていると、一匹のアブが車軸に止まってこう言いました。
「なんて遅いんだ。どうしてもっと速く走らないんだ。僕の針で首を刺されたいのかい?」
するとロバは、こう言いました。
「僕は、お前など何とも思っちゃいない。
僕が言うことを聞くのは、ムチをふるって僕を速めたり、手綱で御したりする方だけだよ。
そう、お前の上に座っている方さ。
だから下らぬことを言ってないで、とっとと、いっちまいな。
速くしなければならぬ時も、遅くしなければならぬ時も、僕はよく心得ているのだからね」
小物の言うことなど、聞く必要はありません。
おしまい
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