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第 52話

年老いた猟犬

年老いた猟犬
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※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 : 神栖星花研究所 「神栖星花研究所

 若い頃は森のどんな動物が相手でも決して遅れをとらなかった猟犬が、年老いてから狩りに引っ張り出されました。
 猟犬はイノシシを見つけると、若い頃と同じ様にガブリと耳に噛みつきました。
 しかし、猟犬は歯が弱っていたので、噛みついた獲物を逃してしまいました。
 それを見ていた猟犬の主人が、とても落胆して猟犬を叱りました。
「何をやっているのだ、お前は! 昔なら、あんな獲物を逃がすことはなかっただろ。手を抜くんじゃないぞ!」
 すると猟犬は、主人を見上げてこう言いました。
「ご主人様、私は手を抜いていません。
 これまでと同じ様に、一生懸命やったのです。
 しかし、寄る年波に抗う術はありません。
 ですから、今の私を叱るよりも、かつての私を褒めるべきなのです」

 人を評価する時は、今の実力だけでなく過去の実績も考慮しましょう。

おしまい

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