福娘童話集 > きょうの世界昔話 福娘童話集 きょうの世界の名作・昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
広 告
 


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > その他の世界昔話 >ムギの穂

第87話

ムギの穂

ムギの穂
グリム童話 → グリム童話の詳細

※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先

投稿者 「エマ」  睡眠導入エマちゃんねる

 むかしむかし、神さまが地上をつくったばかりのころのお話です。
 地上は、いまよりもずっとみのりゆたかで、ムギの穂(ほ)にはムギつぶが、今のような五、六十ではなく、五、六百もついていました。
 なにしろくきには、上から下までビッシリとムギつぶがついていたのです。
 だけど、人間というものはあんまりしあわせすぎると、しあわせが神さまからくることをわすれてしまい、とても物をそまつにしてしまいます。
 ある日のこと、女の人が子どもをつれて、ムギ畑のそばをとおりすぎました。
 子どもは、とんだりはねたりして歩いていましたが、水たまりに足をすベらせてしまい、服をよごしてしまいました。
 すると、お母さんは美しいひとにぎりのムギの穂をむしりとって、それで子どもの服のよごれをおとしました。
 ちょうど神さまがそこをとおりかかって、これを見るとおこっていいました。
「もうこれからは、ムギのくきには穂がつかないぞ。人間どもは天のおくりものをもらう資格などありはしない」
 すると、そばでそれをきいていた人たちがひざまずいて、
「どうかムギのくきに、すこしでもかまいませんから、穂をのこしておいてくださいまし。わたしども人間には、そうしていただく資格がないにしても、罪のないニワトリたちのためにおねがいいたします。でないと、ニワトリたちはおなかをヘらして死んでしまいます」
 神さまは、人間たちのたのみをききとどけました。
 ムギの穂が、いまのように上のほうだけのこっているのは、このためです。

おしまい

前のページへ戻る


福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ