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        福娘童話集 > アニメかみしばい デマデスの演説 
         
          デマデスの演説 
         
        
         
         
        デマデスの演説 
      
       むかしギリシャに、デマデスという演説(えんぜつ)の上手な人がいました。 
         
 ある日、デマデスはアテネの市民たちを前にして、演説をしていました。 
 一生懸命に話しているのに、みんなはガヤガヤ騒いで、ちっとも真面目に聞いてくれません。 
 そこでデマデスは、 
「みなさん、わたしはここでひとつ、イソップのお話しをしたいのですが、いいですか?」 
と、大きな声で尋ねました。 
      「いいぞ」 
        と、みんなは喜んで叫びました。 
       デマデスは、話しを始めました。 
       
      「農業の守り神デメテールとツバメとウナギが、一緒に旅に出ました。 
       しばらく行くと、橋がかかっていない川がありました。 
       ツバメは空に舞い上がって、向こう岸に着きました。 
         ウナギは川に飛び込んで、泳いで行きました」 
         
       ここまで話して、デマデスは話を止めました。 
      「・・・で、デメテールはどうした?! デメテールは?!」 
         みんなは口々に叫びました。 
        「デメテールは、あなた方に腹を立てました。 
         政治の大事な話しは聞こうとしないで、イソップの作り話しだけを面白がるのは、いけない事だと」 
         
       この様に、大切な事はほったらかして、面白おかしい事ばかりやりたがる人は、困りものです。 
      おしまい 
         
          
           
          
          
       
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