救いの手東日本巨大地震復興企画 「がんばれ まけるな」 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集


福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」

カメとイノシシ

カメとイノシシ
日本の昔話

♪朗読
TIME 3:11
朗読者  Takumi Kodama
提供 すまいるぼっくす

 むかしむかし、カメはとても足が長くて背の高い動物でした。
 ある日の事、けものたちが集まって力比べを始めました。
 その頃、力が一番強かったのはイノシシです。
 だからイノシシはいつも大いばりで、力比べの場所に来ると、
「エヘン、エヘン」
と、偉そうにしていました。
 さあ、これを見てくやしくなったカメは、自分もイノシシの真似をして、
「エヘン、エヘン」
と、やりました。
 これを聞くと、イノシシはますます大きな声を出して、
「エヘッン! エヘッン!」
と、やりました。
 すると、カメも負けじと、
「エッへーン! エッヘーン!」
 イノシシも負けじと、
「エッヘーン!!! エッヘーン!!!」
 二匹はにらみ合いましたが、カメが言いました。
「イノシシくん、ちょっと尋ねるが」
「何だい」
 イノシシが、長い首をカメに向けました。
 その頃のイノシシは今と違って、とても首が長い動物だったのです。
「きみは、少しばかり力があるのが自慢なんだそうだね。・・・まあ、ぼくにはかなわないだろうけど」
 カメが言うと、怒ったイノシシが、
「何だとー! 踏みつぶしてやる!」
と、カメを甲羅の上から押さえつけました。
 押さえつけられたカメも足をふん張って頑張ったのですが、イノシシの力がよほど強かったのか、カメの足がギュギュギューと、だんだんと短くなっていったのです。
 おまけに硬いカメの甲羅もメシメシメシーと、ヒビだらけになってしまいました。
 それでカメの足は、あのふん張ったような短い足になってしまい、硬い甲羅もヒビだらけになってしまったのです。
「へへーん。ざまあみろ!」
 勝ったイノシシは、うれしさのあまり勢い良く走り出しました。
 でも、よそ見をしていて前にあった大岩に激しく頭をぶつけてしまい、ギューーと、長かった首が縮んでしまいました。
 それでイノシシの首は、今のように短くなってしまったのです。

おしまい

※ 被災されたみなさまへ。

 この度、東日本大震災により、被害を受けられた皆さまに、つつしんでお見舞い申し上げます。

 また、いっこくも早く復興されますよう、心からお祈り申し上げます。

前のページへ戻る

福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識