福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
山下淵(やましたぶち)の大なまず
長崎県の民話
むかしむかし、諌早に、中村大蔵という腕のいい刀鍛冶がいました。
ある日のこと、一人の女がやってきて、
「お願いがございます。どうか私に、鋭いモリを一本作って下さい」
と、たのみました。
三日後の夜、大蔵のうった見事なモリを見ると、女はとても喜んで、お礼として銀ののべぼうを差し出しました。
大蔵は、のべぼうを受け取る代わりに、女がモリを必要なわけを聞きました。
すると女は、
「実は私は、お城の近くの山下淵の主なのです。
ところが近ごろ大なまずがやってきて、私の子どもたちを次々と飲み込んでしまいました。
子どもたちの仇を討ちたいと、お願いに来たのです。
仇を討ったあかつきには、今後淵では、人の命を取らぬようにいたします」
と、言って、姿を消しました。
さて、その翌日。山下淵に、見たこともないような大なまずの死がいが浮かびました。
そしてその後、あの淵の主は大蔵との約束を守って、山下淵でおぼれ死ぬ者は一人としていなかったと言うことです。
おしまい
→ 福娘童話集版 山下淵の大なまず
※ この昔話について。
このむかし話は東日本大地震に被災された方々への心の復興をお手伝いするために、三重県鳥羽市の鳥羽水族館様のご厚意により、鳥羽水族館でのイベント
「鳥羽水族館で昔話」2011年3月19日(土)〜4月24日(日)
で、公開しているお話しをご提供いただいたものです。
ダウンロードされたお話しは、プリンターで印刷も可能です。
お話しは、全て鳥羽水族館にいる生き物に関する昔話です。
このお話しを読んで、鳥羽水族館へ遊びに行った気分をご体験ください。
→ 鳥羽水族館公式ページ
→ 「鳥羽水族館で昔話」のイベントページ
鳥羽水族館について。
通路全長1.5kmの広い館内は生息する環境に合わせ12のゾーンに分かれ、観覧順序がなく自由通路となっているのが大きな特徴のひとつ。
好きなところから気の向くまま観覧したり、興味のある生きものをじっくり観察したりと、思いのままに楽しんでいただけます。
飼育種類数は約1,000種2万5千点と国内最大級の規模を誇り、多くの美しい魚たちやアフリカマナティーやラッコ、スナメリといった人気の動物たちが皆様をお迎え致します。
中でも人魚伝説のモデルとも言われるジュゴンを飼育しているのは日本でここだけ。
メスのセレナがアオウミガメのカメ吉と仲良く泳ぐ様子がご覧いただけます。
また毎日開催している各種のショーでは、アシカやセイウチたちとトレーナーが息の合ったパフォーマンスを披露し、動物たちもお楽しみ?!の「お食事タイム」ではラッコのジャンプや、岩からの大きなトドのダイビングなど普段と違った行動も観察できるので必見です。
さらに2010年には館内の水槽を計14本リニューアル。
水槽の面積を広げて足元から水槽を見られるなど様々な工夫を凝らし、他では見られない鳥羽水族館独自の新しい展示を目指しています。
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