福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
金魚に取りつかれた若者
福井県の民話
むかしむかし、つるがの浜のうらそこの里に水のきれいな大池があって、あかしろまだらの美しい金魚が住んでいました。
誰もがその美しい金魚を自分の物にしたいと思いましたが、村の長老たちから、
「あの金魚は、池の主のお使いだ。それを取るような事があれば、きっとたたりがあるぞ」
と、言われていたので、村人はみんなこわがって近よらなかったそうです。
ある日の事、漁師のいのすけという若者が、たまたまこの池のそばを通りかかると、池の中から金魚たちのかなしい歌声が聞こえてきたのです。
♪出たいな、出たいな、この池を ♪早く出たいな、行きたいな
♪海をわたって、竜宮へ ♪月夜の晩に、行きたいな
この歌を耳にしたいのすけは金魚に心を奪われて、毎日、池をのぞきに行きました。
それを知った村人や長老は、
「いのすけ、二度とあの池に行くな。命をとられてしまうぞ」
と、引き止めましたが、金魚にとりつかれたいのすけの耳には届きません。
そして十五夜の美しい満月の夜、池に出かけたいのすけは池のふちにぞうりだけを残して姿を消しました。
すると不思議な事に、その日から池の金魚もいなくなったそうです。
おしまい
→ 福娘童話集版 金魚に取りつかれた若者
※ この昔話について。
このむかし話は東日本大地震に被災された方々への心の復興をお手伝いするために、三重県鳥羽市の鳥羽水族館様のご厚意により、鳥羽水族館でのイベント
「鳥羽水族館で昔話」2011年3月19日(土)〜4月24日(日)
で、公開しているお話しをご提供いただいたものです。
ダウンロードされたお話しは、プリンターで印刷も可能です。
お話しは、全て鳥羽水族館にいる生き物に関する昔話です。
このお話しを読んで、鳥羽水族館へ遊びに行った気分をご体験ください。
→ 鳥羽水族館公式ページ
→ 「鳥羽水族館で昔話」のイベントページ
鳥羽水族館について。
通路全長1.5kmの広い館内は生息する環境に合わせ12のゾーンに分かれ、観覧順序がなく自由通路となっているのが大きな特徴のひとつ。
好きなところから気の向くまま観覧したり、興味のある生きものをじっくり観察したりと、思いのままに楽しんでいただけます。
飼育種類数は約1,000種2万5千点と国内最大級の規模を誇り、多くの美しい魚たちやアフリカマナティーやラッコ、スナメリといった人気の動物たちが皆様をお迎え致します。
中でも人魚伝説のモデルとも言われるジュゴンを飼育しているのは日本でここだけ。
メスのセレナがアオウミガメのカメ吉と仲良く泳ぐ様子がご覧いただけます。
また毎日開催している各種のショーでは、アシカやセイウチたちとトレーナーが息の合ったパフォーマンスを披露し、動物たちもお楽しみ?!の「お食事タイム」ではラッコのジャンプや、岩からの大きなトドのダイビングなど普段と違った行動も観察できるので必見です。
さらに2010年には館内の水槽を計14本リニューアル。
水槽の面積を広げて足元から水槽を見られるなど様々な工夫を凝らし、他では見られない鳥羽水族館独自の新しい展示を目指しています。
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