福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
カワウソのいたずら
石川県の民話
むかしむかし、町を流れる川に何匹ものカワウソがすんでいて、よく人をだましていました。
ある夜ふけの事、若い侍が町はずれの道を歩いていると、横丁から女の人が出てきて、前を歩いていきました。
次に、五つばかりの男の子が現れると、足早に女の人を追いかけたのです。
そして女の人に追いつくと、女の人は男の子の手をひっぱって、歩きはじめました。
しばらくいくと女の人は突然立ちどまり、
「まったく! お前のような役たたずは、じゃまになるだけだ!」
と、男の子をかかえあげると、そのまま堀の中へ投げこんでしまったのです。
若い侍は腰の刀に手をかけて、走っていきました。
「子どもに何をするのだ!」
すると女の人はふりかえって、にやりと笑いました。
その姿は、あごの下から胸までが、まっ白な毛でおおわれていたのです。
「おのれ、化け物!」
侍は手をかけた刀を抜いて、斬りかかりました。
しかし女の化け物は、そのまま闇の中に消えて、大きな水音が聞こえました。
若い侍が堀の中をのぞきこむと、二匹のカワウソが水の中から顔を出して、にやりと笑ったということです。
おしまい
→ 福娘童話集版 カワウソのいらずら
※ この昔話について。
このむかし話は東日本大地震に被災された方々への心の復興をお手伝いするために、三重県鳥羽市の鳥羽水族館様のご厚意により、鳥羽水族館でのイベント
「鳥羽水族館で昔話」2011年3月19日(土)〜4月24日(日)
で、公開しているお話しをご提供いただいたものです。
ダウンロードされたお話しは、プリンターで印刷も可能です。
お話しは、全て鳥羽水族館にいる生き物に関する昔話です。
このお話しを読んで、鳥羽水族館へ遊びに行った気分をご体験ください。
→ 鳥羽水族館公式ページ
→ 「鳥羽水族館で昔話」のイベントページ
鳥羽水族館について。
通路全長1.5kmの広い館内は生息する環境に合わせ12のゾーンに分かれ、観覧順序がなく自由通路となっているのが大きな特徴のひとつ。
好きなところから気の向くまま観覧したり、興味のある生きものをじっくり観察したりと、思いのままに楽しんでいただけます。
飼育種類数は約1,000種2万5千点と国内最大級の規模を誇り、多くの美しい魚たちやアフリカマナティーやラッコ、スナメリといった人気の動物たちが皆様をお迎え致します。
中でも人魚伝説のモデルとも言われるジュゴンを飼育しているのは日本でここだけ。
メスのセレナがアオウミガメのカメ吉と仲良く泳ぐ様子がご覧いただけます。
また毎日開催している各種のショーでは、アシカやセイウチたちとトレーナーが息の合ったパフォーマンスを披露し、動物たちもお楽しみ?!の「お食事タイム」ではラッコのジャンプや、岩からの大きなトドのダイビングなど普段と違った行動も観察できるので必見です。
さらに2010年には館内の水槽を計14本リニューアル。
水槽の面積を広げて足元から水槽を見られるなど様々な工夫を凝らし、他では見られない鳥羽水族館独自の新しい展示を目指しています。
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