福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
カッパを釣ろう
カッパを釣ろう
あるところに、とっても貧乏な男がいました。
ある時、お金持ちの家に行って言いました。
「カッパが釣れる良い場所を見つけました。
でも、エサに肉がいります。
カッパが釣れたらお礼を差し上げますから、肉をもらえませんか?」
お金持ちはカッパなら高く売れるとおもい、肉の固まりを貧乏な男に渡して言いました。
「わしも、カッパを釣るところが見たいなあ」
すると、貧乏な男が言いました。
「木の後ろに、隠れていて下さいよ。
そして決して、しゃべってはいけません。
カッパは人間の声を聞くと、逃げてしまいますから」
川に着くと、貧乏な男はお金持ちに気づかれないように、肉を服の中に隠して釣り糸には肉の代わりに石をくくりつけて、ドボンと川に投げ込みました。
金持ちは木の後ろから声を出さないように見ていましたが、1時間もすると待ちきれなくなり、貧乏な男に声をかけてしまいました。
「・・・まだ、釣れないのか?」
すると、貧乏な男が言いました。
「ああっ、今カッパがエサに食いついたのに。人の声がしたから、肉を取って逃げてしまった。もう駄目だ」
そう言うと、さっさと釣り竿を片づけて、服の中に肉を入れたまま家に帰ってしまいました。
おしまい
※ メッセージ。
被災された皆さまへ。
大震災の被害を受けられた皆さまに、つつしんでお見舞い申し上げます。
また、いっこくも早く復興されますよう、心からお祈り申し上げます。
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