福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
葉っぱの手紙
葉っぱの手紙
たいへん、けちん坊な旦那(だんな)がおりました。
ある時、手紙を出そうと思いましたが、急に紙に書くのがもったいなくなりました。
「人にやるもんに、紙はもったいない。あれに書こう」
旦那は庭のカキの木の葉っぱを二、三枚取ると、それに手紙を書いて使いの者に持たせました。
さて、それをもらった相手の旦那も、手紙を出した旦那に負けずけちん坊です。
「ほほう。カキの葉っぱの手紙とは、あいつもなかなかやるな。では」
こちらの旦那は、手紙を持って来た使いの者に言いました、
「すまないが上着を脱いで、背中を出しなさい」
言われた通りにすると、その背中へさらさらと手紙の返事を書きました。
しばらくたって使いの者が帰ってきますと、旦那が聞きました。
「ごくろうだった。して、手紙の返事はもらったかい?」
「はい、返事は、ここにあります」
使いの者が背中を見せると、けちん坊の旦那は残念に言いました。
「なんと、その手があったか。さっきのカキの葉っぱは、おしいことをしたわい」
おしまい
※ メッセージ。
被災された皆さまへ。
大震災の被害を受けられた皆さまに、つつしんでお見舞い申し上げます。
また、いっこくも早く復興されますよう、心からお祈り申し上げます。
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