福娘童話集 > 東日本巨大地震復興企画「がんばれ まけるな」
うそつきの名人
うそつきの名人
むかしむかしあるところに、うそつきの名人がいました。
あまりにも上手にうそをつくので、だまされた人は怒るどころか感心してしまうほどでした。
ある時、お城の殿さまがこの男を呼び寄せました。
「おまえはうそつき名人だそうだな。うまくわしをだませたなら、何でも好きな物をやろう」
すると、男が答えました。
「実はわたしがうそをつくには、『うそつき袋』と言う物がいるのです。今日は家のたんすの上にその袋を置いてきたので、取ってこないとうそをつけません」
殿さまは、家来を男の家にやりました。
しばらくして家来は戻ってくると、殿さまに言いました。
「男の家のすみからすみまで探しましたが、『うそつき袋』などありませんでした」
それを聞いて、男は言いました。
「そうです。もともとそんな袋はありません。これがうそです」
「むっ、あっぱれじゃ!」
見事にうそをつかれた殿さまは大喜びで、うそつき名人にたくさんのほうびをあげました。
おしまい
※ メッセージ。
被災された皆さまへ。
大震災の被害を受けられた皆さまに、つつしんでお見舞い申し上げます。
また、いっこくも早く復興されますよう、心からお祈り申し上げます。
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