ヒヒーンとなくトビ
7月4日のｲｿｯﾌﾟ童話
ヒヒーンとなくトビ
むかし、トビの鳴き声はいまとちがった、するどい声でした。
ところがトビは、馬が「ヒヒーン」といせいよくなくのを聞いて、とてもすばらしいと思い、自分もああいう鳴き方をしようと、いっしょうけんめい、馬の鳴きまねをしました。
しかし、何度やってもうまくいきません。
そのうちにトビは、馬の鳴きまねができないだけでなく、もともとの自分の鳴き方もできなくなってしまいました。
こうしてトビは、馬の声でも、もとの自分の声でもない声になったのです。
自分にはすばらしいものがあるのに、人のものも手に入れようとする欲張りな人は、欲しいものは手に入らない上に、もともと自分の持っていたものまでなくしてしまうのです。
おしまい
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