12月16日のイソップ童話
お百姓さんとワシ
お百姓(ひゃくしょう)さんが、畑へ出かけていきました。
とちゅうで、ワナにかかった一羽のワシを見つけました。
「羽も姿もなんて美しいのだろう。さすがは鳥の王さまだ」
お百姓さんは感心してながめるうちに、ワシを逃がしてやりたくなりました。
ワナを外してやると、ワシはつばさを広げて、大空高く飛び去っていきました。
何日かたって、お百姓さんがふるい石かべの下に腰をおろし、一休みしているときでした。
とつぜんあのときのワシがあらわれ、その足の先でお百姓さんの頭から帽子を奪い取りました。
「なっ、なにをする!」
お百姓さんは立ち上がり、後を追いました。
するとワシは帽子を落として、どこかへいってしまいました。
お百姓さんがそれをひろって後ろを振り向くと、さっきまで自分が座っていたところに石かべがこわれて、たおれているではありませんか。
ワシはお百姓さんに、助けられた恩返しをしたのでした。
人から親切にされた時は、恩返しをしなければなりません。
そうすれば、あなたが人に親切にしたとき、恩返しをしてもらえるかもしれませんよ。
おしまい
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