2月1日の小話
身投げ
むかし、橋によっては、わたるのにお金を取られる橋がありました。
夜おそく、髮をふりみだし、息をはずませながら走って来たむすめが、橋の料金小屋の前に、一文(三十円ほど)を投げて、橋の上を通りすぎようとしました。
中から出てきた番人が、あわてて、
「これこれ、むすめさん。この橋のわたり賃は二文だよ」
と、声をかけますと、むすめはうしろをふり向いて、
「だいじょうぶ。あたしは橋の真ん中までいったら、川に飛びこむのです」
おしまい
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