きょうの江戸小話
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6月25日の小話

昼寝

昼寝

 昼寝ばかりしている、寺子屋(てらこや→学習塾のようなもの →詳細)の先生がおりました。
 先生ばかりが昼寝して、弟子が、ちょっとでも昼寝をすると、ひどくしかります。
 あるとき、弟子のひとりが、
「先生ばかり昼寝をするのは、どういうことでございますか」
と、きくと、先生は、
「おれは、まい日ゆめで、菅原道真公(すがわらみちざねこう→学問の神さま)とあい、おしえをうけているのだ」
と、いいます。
 ところが、その次の日になりますと、きのうの弟子が、先生より先に、さっさと昼寝をしております。
 これをみつけた先生はおこって、
「おい、昼寝をしてはいかんといってあるではないか」
と、しかりますと、弟子は、
「わたしも、菅原道真公と、ゆめでおあいしておりました」
「なにを、ごうじょうなやつめ。ほんとうに菅原道真公にあったんだったら、なんといわれたか、いってみい」
「はい。夢の中で道真公は、先生には一度もあったことはない、と、もうされました」

おしまい

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