きょうの江戸小話
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12月2日の小話

富士山のいれもの

富士山のいれもの

 むかし、日本の国に、海のむこうの大きな国の役人がやってきて、
「富士山をよこせ」
と、せまりました。
「国のたからの富士山を、わたすことはできません」
 日本の役人がことわると、
「よこさねば、せんそうをしかけるぞ!」
 あいては、おどしにかかりました。
 日本の役人たちは、へんじを、しばらくまってもらって、ちえのあるおじいさんのところへ、そうだんにいきました。
「役人のくせに、それくらいのちえもないのか。いいか、『富士山のはいるいれものをもってきたら、くれてやる』と、いってやれ」
 役人が、おじいさんにいわれたとおりに、つたえると、
「これはまいった。あきらめよう」
 大きな国の役人は、ひきあげていきました。

おしまい

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