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2008年 5月18日の新作昔話

みこし入道をやっつける方法

みこし入道をやっつける方法
江戸小話

 むかしは、みこし入道という、大男の化け物がいました。
 人が夜道を歩いていくと、後ろからニューッと首をのばして、頭ごしにみこしてはニタニタと笑うのです。
 それだけならよいのですが、みこし入道にみおろされると、命が短くなるといいます。
 ある男が、友だちからその話を聞くと、
「よし、おれがみこし入道をやっつけてやろう。いい考えがあるんだ」
と、自信たっぷりにいいました。
「考えとは、どんな考えだ?」
「ああ、つえを五、六本かかえて、かさをかぶって夜道を行くんだ。するとみこし入道のやつが、みこそうとするだろう。そのとき、かさにつえをむすびつけて、そろそろっと持ちあげる」
「なるほど、それで?」
「入道のやつ、かさをみこしたくて首をのばしてくる。そしたら二本目のつえをつぎたして、かさをさらにあげる。入道が首をのばしてきたら三本目のつえをつ ぎたして、もっとかさをあげる。これをくりかえしていってみろ。みこし入道の首がのびにのびて、すっかり細くなってしまうだろう。そこをはさみで、チョキ ンと切ってやるのさ」

おしまい

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