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夏の怖い話し特集
2009年 7月6日の新作昔話

けちがね屋けちべえ

けちがね屋けちべえ
東京都の民話

 むかしむかし、江戸の町に、駄菓子(だがし)をつくって売っている駄菓子屋がありました。
 この店では、色々ある駄菓子の中でも、『ねぢがね』と呼ばれる、ねじり菓子が大人気です。
 そこでこの駄菓子屋の主人のじんべえは、『ねぢがね屋じんべえ』と呼ばれていました。
 このじんべえは、けちでも有名で、もらう物なら馬の食べ残しでも喜んでもらうのですが、出す物は家の仏さまにあげるお線香さえ、おしがっていたのです。
 まあ、それだけならよいのですが、
「おじちゃん。ねぢがね、ちょうだい」
と、やってくる子ども相手に、お菓子の数やおつりをごまかして、
「はやく大通りに、店をかまえたいもんだ」
と、金を貯め込んでいたのです。
 こんなふうですから、お客たちはじんべえのことを、『けちがね屋けちべえ』と言っていました。
 そんなある日、じんべえが店の奥の部屋でお金を数えていると、この辺では見かけた事のない、ひどく腰の曲がったおばあさんがやってきて、
「ねぢがね屋じんべえは、おるかい?」
と、店ののれんをくぐると、おかみさんが止めるのも聞かずに、じんべえの前へとやってきたのです。
 そして、年寄りとは思えないほど怖い声で叫びました。
「じんべえ、迎えに来たぞ! お前のような悪人は、わしが地獄へ連れて行ってやる。地獄で罪をつぐないがいい」
「なんだと! 縁起でもないことをいうばばあだ。つまみ出してやる!」
 じんべえがそう言って立ち上がったとたん、じんべえは白目をむいて、バタリと倒れてしまい、そのまま死んでしまいました。
 そしておばあさんは死んだじんべえをひょいと肩に担ぐと、そのままどこかへ消えてしまったそうです。

おしまい

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