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4月17日の世界の昔話

ゴルゴーンたいじ

ゴルゴーンたいじ
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 むかしむかし、あるところに、アクリシスという王さまがいました。
「姫にはやく、まごの王子がうまれますように」
と、いのっていると、神さまがあらわれました。
「姫には、男の子がうまれる。けれどその子に、おまえはころされるだろう」
 やがて本当に、男の子がうまれました。
 おそろしくなった王さまは、赤ん坊をはこにのせて海にながしました。
 はこは、とおい島につきました。
 赤ん坊のぺルセウスは、漁師にひろわれて、だいじにそだてられました。
 ペルセウスは、かしこくつよい若者になりました。
 あるとき島の王が若者たちをよんで、ごちそうをしました。
「よいか。こんどみんなで、わしにおくりものをもってくるのじゃ」
 すると、若者は口々にいいました。
「ウシはどうだ?」
「それより、りっぱなウマがいいよ」
「そうだ、ウマにしよう」
「いや、ゴルゴーンの首だ」
と、ペルセウスがいいました。
 それを聞いた王さまが、命令しました。
「よし。ペルセウス、すぐにゴルゴーンをうちとってこい」
 ところが、ゴルゴーンというのは女のかいぶつで、かみの毛はヘビになっていて、見たものは石にされてしまうといわれています。
「ゴルゴーンのいどころは、だれもわからないんだ。ちょうしにのって、とんでもないことをいっちゃった」
 こまったぺルセウスが、海のそばでなやんでいると、そこへ、いくさの女神アテナと、旅人の神のヘルメスがあらわれました。
「ペルセウス、たてをかしてあげましょう。これにうつして見れば、石になることはありません」
「わたしは、空をとべるつばさのクツをかそう。三人でひとつ目のおばあさんのところへいって、さむい魔法の国へいく道をききなさい。ついたら、うつくしい妖精(ようせい)がおまえをたすけてくれるだろう」
 ペルセウスはよろこんで、空をとんでいきました。
 山のほらあなの入り口に、おばあさんが三人すわっていました。
「あっ、あれだな」
 おりていくと、たったひとつの目玉を、三人がかわりばんこにうけとっているところでした。
 ペルセウスは、とびだしていって目玉をとりあげました。
「さあどうだ。ぼくがたずねることをおしえないと、目玉はかえしてやらないぞ」
「ああ、まっくらだ。なんでもおしえるから、目玉を返しておくれ」
 おばあさんたちが、さむい魔法の国へ行く道をおしえてくれたので、ぺルセウスは目玉を返してやりました。
 また空をとんでついたのは、さむい魔法の国です。
 うつくしい三人の妖精が、手まねきをしています。
「みんなとあそびたいけれど、ぼくはかいぶつのゴルゴーンをたいじにいかなければならないのです」
「では、ゴルゴーンの国へはやくいけるよう、新しいつばさのクツをかしてあげましょう。ヘルメスからもらった古いクツととりかえなさい」
「わたしは、とってもじょうぶなふくろをかしてあげます。ゴルゴーンの首をお入れなさい」
 三番目の妖精は、皮のボウシをもってきました。
「これは、からだが見えなくなるボウシです。これをかぶって、ゴルゴーンをうつのですよ」
「ありがとう。みなさん」
 ペルセウスは海の上を日が沈む方向へ、まっしぐらに飛んでいきました。
 飛び続けて、世界の果てのしずかな国につきました。
「おや? 人間や動物がたくさんいるぞ。でも、みんなピクリともうごかないな」
 よく見ると、それはみんな石だったのです。
「ゴルゴーンのしわざだな。このちかくにいるにちがいない」
 ペルセウスは魔法のボウシをかぶり、アテナのたてにあたりをうつしながら進みました。
 海の近くにくるとほらあながあり、そのなかに美しい女がうつりました。
「あっ、ゴルゴーンだな。よしよし、みんなねむっているぞ」
 聞いていたとおりのおそろしいかいぶつで、顔は美しいのですが、髪の毛の一本一本がヘビになっていて、腰から下もヘビの体です。
「よし、ねむっている。いまのうちだ」
 ペルセウスはゆっくり近づくと、持っていた剣を力いっぱいふり下ろし、みごとにゴルゴーンの首を切り落としました。
 ペルセウスは切り落とした首を妖精にもらったふくろに入れると、そのまま空に飛び上がりました。
 その後、ペルセウスは生まれた国に帰り、りっぱな王になったということです。

おしまい

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