きょうの世界昔話
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5月18日の世界の昔話

星の金貨
イラスト myi

星の金貨
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 むかしむかし、あるところに、小さな女の子がいました。
 お父さんもお母さんも死んでしまって、女の子の持っている物は着ている服と、親切な人がくれた一切れのパンだけです。
 頼る人のいない女の子は、神さまだけを頼りに野原へ出て行きました。
 すると、貧しい男の人がやって来て言いました。

星の金貨

「お願いだ。わたしに何か食べる物をおくれ、もう、腹ぺこなんだ」
 食べる物といっても、女の子には一切れのパンしかありません。
 このパンをあげてしまったら、女の子の食べる物がなくなってしまいます。
 でも女の子は、持っていたパンを全部あげて言いました。

星の金貨

「神さまのお恵みが、ありますように」

 そして先へ歩いて行くと、1人の子どもがやって来て泣きながら言いました。

星の金貨

「さむい、頭がさむいよう。ねえ、何かかぶる物をちょうだい」
 そこで女の子は、自分のボウシをあげて言いました。

星の金貨

「神さまのお恵みが、ありますように」

 またしばらく行くと、今度は上着がなくてこごえている子どもに会いました。

星の金貨

 女の子は自分の上着を脱ぐと、その子どもにあげて言いました。

星の金貨

「神さまのお恵みが、ありますように」

 また先へ歩いて行くと別の子がスカートを欲しがるので、

星の金貨

 スカートをあげて言いました。

星の金貨

「神さまのお恵みが、ありますように」

 とうとう女の子は、森にやって来ました。
 あたりはもう、すっかり暗くなっています。

星の金貨

 そこへまた1人の子どもがやって来て、下着を欲しがりました。
 下着をあげると、女の子は裸になってしまいます。
 女の子は、少し迷いましたが、
(暗い夜だから、だれにも見えやしないわ)
 女の子はこう考えて下着を脱ぐと、とうとうこれもあげて言いました。

星の金貨

「神さまのお恵みが、ありますように」

 こうして女の子が何一つ身につけずに立っていると、突然空から星が落ちてきました。

星の金貨

 そしてその星は、ピカピカ光る金貨になったのです。

星の金貨

 気がつくと裸だったはずの女の子は、いつの間にか立派な服を着ていました。

星の金貨

「ああ、神さまありがとう」
 女の子は金貨を拾い集めると、そのお金で一生幸せに暮らしたということです。

おしまい

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