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5月21日の世界の昔話

ほらふき男爵 シカのサクランボウ

ほらふき男爵 シカのサクランボウ
ビュルガーの童話 → 詳細

 わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく)。
 みんなからは「ほらふき男爵」とよばれておる。
 なぜかだって?
 それはだな、わがはいのぼうけんがあまりにもすごいので、みんな信用せずに、ほらだと思っておるからじゃ。
 なに、わがはいの話を聞きたいじゃと。
 そうか、よしよし。
 それならこんな話はどうじゃな。
 ある日、わがはいは狩りをしに森に行った。
 すると、大きくて立派なシカが現れたのじゃ。
 よし、こいつをしとめてやろうと鉄砲をかまえたが、あいにく玉切れじゃ。
 そこで、落ちていたサクランボウのタネを鉄砲に詰めて「ズドン!」とおみまいしてやった。
 ところが、シカはそのまま逃げてしまったのじゃ。
 玉は、たしかにシカの頭に命中したはずなのに。
 さて、つぎの年の事。
 わがはいは、ふたたびそのシカに出会った。
 なぜ、同じシカだとわかったのか。
 それは、シカの頭から3メートルものサクランボウの木が生えており、サクランボウがたくさん実っていたからじゃ。
 いやはや、そのサクランボウのおいしかったこと。
 では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。

おしまい

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