10月13日の世界の昔話
ヘンゼルとグレーテル
グリム童話 →詳細
むかしむかし 大きな森の近くに、木こりの家族が住んでいました。
木こりの家族はとても貧乏で、一日に一度の食事も満足に食べることが出来ません。
そこで、意地悪なお母さんが、気の弱いお父さんにこんな事を言いました。
「あんた、子どもたちを森に捨ててきておくれよ。子どもたちがいると あたしたちの食べ物がなくなってしまうからね」
「しかし、そんなかわいそうな事・・・」
「じゃあ、みんなで仲良く飢え死にするかい? あたしは、嫌だよ。・・・さあ、はやく子どもたちを捨ててきておくれ」
そこでおとうさんは仕方なく、子どもたちを森へ置き去りしてきました。
森に捨てられたのは子どもは、お兄さんのヘンゼルと妹のグレーテルです。
ヘンゼルはグレーテルの手をしっかりにぎると、帰り道を探すために森をさまよいました。
さて、どれくらい森を歩いた事でしょう。
ふと見ると、森の中に広場があって、そこに小さな家がありました。
その家からは、とてもおいしそうな甘いにおいがします。
「わあ。グレーテル、この家、全部おかしで出来ているよ」
この家の、屋根はチョコレート。
窓は、砂糖がし。
壁はビスケットで、出来ています。
二人は大喜びで、夢中でおかしの家を食べ始めました。
すると中からおばあさんが出てきて、二人に言いました。
「これはかわいい子どもたちだね。さあ、中には果物もココアもあるよ。入っておいで」
二人はおばあさんにお腹いっぱい食べさせてもらうと、ふかふかの暖かいベットで寝かせてもらいました。
その真夜中、グレーテルがふと目を覚ますと、おばあさんがこんな一人言を言っています。
「うまそうな子どもたちだ事。 さて、煮て食べようか、それとも焼いて食べようか。どっちにしても、おいしそうだね。いっひひひひひっ・・・」
グレーテルは、びっくりです。
このおばあさんは子どもを食べる、悪い魔法使いだったのです。
「やっぱり、焼いて食べるとしようか」
そう言って悪い魔法使いは、かまどに火を付けました。
そこへグレーテルが、後ろからそっと近づいていき、かまどをのぞき込んでいる悪い魔法使いの背中を、どん! と、突き飛ばしました。
「わあ あちちち!」
悪い魔法使いは、燃えさかるかまどの火の中へ落ちてしまいました。
その間にグレーテルはヘンゼルと一緒に、急いで外に逃げ出しました。
すると家の外には大きな白い鳥がいて、二人を家まで乗せていってくれたのです。
家に帰ると、帰ってきた二人を見てお父さんが泣いて喜びました。
「ごめんよ。悪いお母さんは、どこかへ行ってしまった。もう決して、お前たちを捨てたりはしないよ」
それから三人は、仲良く暮らしました。
おしまい
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