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5年生のイソップ童話
逃(に)げたカラス
ある人がカラスをつかまえたので、足にヒモをつけて自分のこどもにかわせました。
けれども、カラスは人間にかわれるのがいやでたまりません。
それで、ちょっとしたすきに逃げ出(にげだ)して、自分の巣にかえりました。
ところが、足についていたヒモが木の枝(えだ)にからみついて、もう飛び上がれなくなってしまいました。
これでは、うえ死にするしかありません。
「まったく、ついてないなあ。あのまま人間にかわれていれば、一生食べ物に不自由しなかったのに。これがこうして、うえ死にすることになるとは」
これは、考えなしに行動すれば、小さな危険(きけん)から逃(のが)れようとして、もっとおそろしい危険(きけん)に飛び込(とびこ)むことがあることをおしえています。
おしまい