福娘童話集 小学生童話 4年生
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4年生のイソップ童話(どうわ)

うらない師

うらない師(し)

 うらない師(し)が町の広場でうらないをして、たいそう繁盛(はんじょう)していました。
 そこへ、とつぜん1人の人が走ってきて、
「たいへんだ。あなたの家の戸がこじあけられて、家の中のものがぜんぶぬすまれていますよ」
 びっくりしたうらない師(し)は、飛び上(とびあ)がって、
「なんてことだ。なんてことだ」
と、いいながら、自分の家のようすを見に、走ってかえりました。
 あたふたとかけていく、うらない師(し)の後ろから、そばにいた人々の1人がさけびました。
「やーい、あんたはほかの人の身におこることがわかると、とくいになっていたくせに、自分がこうなるのは、わからなかったのかい?」

 この話は、自分のこともちゃんとできないのに、他人のことにあれこれと口だす人に、聞かせるといいでしょう。

おしまい

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